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東チモールという国を知っていますか?
インドネシアから独立した小さな貧しい島国です。
ポルトガルの植民地時代に作付けられたコーヒーが大きく育っています。
車もない山の中、人々が裸足で、生活しています。
僕がただ一箇所、訪ねたことがあるコーヒーの産地です。
首都のディリは、貧しい、政情不安な、さびれたリゾートといった趣でした。7年前のことです。
海辺のディリから、パジェロで、3,4時間。山へはいります。
標高は1300メートル。夜は寒いほどでした。
霧がたち、気温差が大きい。
そんな森に、山の斜面に、コーヒーのジャングルはありました。
なんと、野生的なコーヒーの木々。
そのコーヒーの森の斜面を、裸足の少年たちが、先を争って、駆け上がってゆく。
垂れ下がったコーヒーの巨木の枝にぶらさがって、遅れて息が切れている僕を見て笑う。
小さな馬の背のかごいっぱいのコーヒーチェリーをのせて
斜面のこみちを小さな女の子と父親が降りてくる。
女の子が、くりくりしたきれいな目で見ている。
恥ずかしそうだけど、目は、はっきりまっすぐ見ている。
電気もない。水道もない。車もない。飢えることがある。戦争もあった。
全然、可哀想ではなかった。山の中では。
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